きのう気象庁が全国の3か月予報を発表した。寒い冬のただ中にいると、遠く感じるものの、来たる春がうっすらと見えてきた◆3月の気温は北日本と東日本が平年より暖かく、西日本は平年並みだという。多くの随筆を残した箏曲家、宮城道雄が次のように書いている。<人生には不幸を通ってくる幸福があるように、落葉のかなたには春の芽生えが待っている>(「落葉をふんで」)◆世の中全体として不幸とまでは言わなくとも、幸せ感に乏しい落ち葉の季節になったことは間違いないだろう。感染症が猛威をふるい、まん延防止措置の18道府県への追加が決まった◆列島の地図に措置の講じられた自治体を警戒の赤で塗るとすれば、白地のままの地域がかなり少なくなった。ピークはいつだろうか。専門家によれば、オミクロン株の感染の波が急上昇から急降下に転じた例が海外にあるそうだが、日本と単純に比べられないため予測がつかないという。どんな心持ちで次の季節を迎えることになるのだろう◆春になれば桜前線を刻む日本地図が楽しみになる。その頃、もう一方の地図は見たくないものである。
読売新聞編集手帳・2022/01/26

※桜前線の地図よりも感染の波の方がスピードが速いのでは・・・。
読売新聞編集手帳・2022/01/26

※桜前線の地図よりも感染の波の方がスピードが速いのでは・・・。