今となれば共感しない方が多かろう。家庭の食事が大きく変わった昭和の半ば、手抜き料理の代名詞にオカーサンヤスメという語呂合わせが使われた◆オムレツ、カレーライス、サンドイッチ、焼きそば、スパゲティ、目玉焼き。きのうの朝刊くらし面にこの中の一つの料理が取り上げられていた。俳優のサヘル・ローズさんにとって「トマト入り目玉焼き」がお母さんの味だという◆イランで実の親を亡くし、養護施設に暮らしたローズさんは7歳のとき、施設でボランティアをしていた大学院生のフローラさんに引き取られた◆母はパートナーを頼って来日するも、親子で家を追い出され、トイレ掃除にじゅうたん織り。働きづめのなか、ごちそうが 炒いた めたトマトに卵を割って落とした目玉焼きだった。ある日、一つを分け合って食べた。フローラさんが「栄養があるから」と言って、黄身を全部くれたことが娘の思い出になっている。おなかも心も満たされた◆目玉焼きのどこが手抜きなのか、なおのこと分からなくなった。オカーサンエライと語呂合わせを改めたいところだが、目玉焼きがうまく入らない。
讀賣新聞編集手帳・2022/01/25

元素記号の覚え方・・語呂合わせ
讀賣新聞編集手帳・2022/01/25

元素記号の覚え方・・語呂合わせ