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Posted by おてもやん at

2022年01月19日

未富先老のお話

2世紀の中国、後漢末期の戸籍人口は約5600万という。その後は「黄巾(こうきん)の乱」を経て、激動の魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の三国志の時代へ入るが、ではこの3国の合計戸籍人口はどうか。何とわずか760万人だった▲混乱の時代だけに戸籍からもれた住民も多かろうが、戦乱と飢饉(ききん)による「人口崩壊」があったのは間違いない。中国文学者の加藤徹(かとう・とおる)さんの「貝と羊の中国人」によれば、中国の歴代王朝の興亡は人口の急増と激減のサイクルに重なる▲漢から明までは実人口約1億を上限とする増減が王朝の興亡と共にくり返された。それをもたらしたのは人口と食料・資源のぎりぎりのバランスで、王朝の命脈はそのバランスの制御にかかっていた▲清時代からの人口爆発を引き継ぐ現代だが、人口のもたらす問題が中国の統治に重くのしかかるのは昔と変わらない。ただ今日の問題は出生数が減り続け、ついに昨年は1949年の建国以来最少を記録、戦乱や飢餓によらない総人口減少が目前に迫っていることだ▲政府は従来の人口抑制策を事実上廃止したが、教育費の膨張をはじめ将来不安を抱える若い世代の出産意欲は乏しいままだという。高齢化も日本を上回るペースで進み、「未富先老(豊かになる前に老いる)」が現実味を増している▲やがて訪れよう人口減少社会は、かつてのように“王朝”のたそがれを示すのか。どうあれ軍備拡張や対外的な国威発揚は何の役にも立たない少子高齢化である。必要なのは足元の地道な制度改革しかあるまい。
毎日新聞余禄 2022/01/19
未富先老・・読み(みふせんろう

  


Posted by マー君 at 09:48Comments(0)つぶやき記事