食品の値上げが続く。この秋、サラダ油やマーガリンが上がり、来年は食パンやコーヒー、マヨネーズ、冷凍食品も。日々の食事のことを考えると頭が痛い▼原因は原油高騰による原材料費や物流費の上昇、新型コロナウイルス流行で生じた東南アジアの労働力不足。北米産小麦の作柄悪化や中国の需要増なども響く。日本の食卓は世界に揺さぶられている▼家計の負担を軽くするにはどうしたらいい? 福岡県栄養士会会長の大部正代さんに聞くと「米を食べればいい」と明快だ。ご飯に豆腐のみそ汁、今が旬のホウレン草のおひたし。米は1日3回食べても100円程度で、多彩なおかずと合う。和食なら昨今の値上げの影響は少なく「いいことずくめ」と言う▼米は安値傾向にある。2021年産米の相対取引価格(10月)は全銘柄平均で60キロ当たり1万3120円と前年同月比13%下落。新型コロナ禍での外食需要の減少に加え、今年は豊作のため2年連続の下落だ▼消費者にはありがたいが、生産者の収入は減る。田を起こし、苗を植え、穂を刈り、脱穀する。八十八の手間がかかるから「米」と書くという説もある。安値が続けば作る人がいなくなりかねない▼だからこそ「今回の値上げを地産地消の必要性と地元食材の良さを見直すきっかけにして」と大部さん。値札にため息をつくよりも、世界や地域の未来を見据えて献立を練る方が張りも出る。
西日本新聞・春秋・2021/12/11

大部 正代(おおべまさよ)さん
公益社団法人福岡県栄養士会 会長 / 中村学園大学 栄養科学部・栄養クリニック 教授
地域や高齢者への「栄養支援」と「心のサポート」を目指して
心身の健康と密接にかかわる食事。ところが近年、食生活をめぐる環境は大きく変化し、肥満や生活習慣病の増加だけではなく、高齢者や疾病時の低栄養など、多くの問題が生じている。健康な食生活のアドバイザーとして広く活躍している管理栄養士・栄養士。福岡県栄養士会会長として、大部正代さんは食支援や栄養サービス事業に積極的に取り組んでいる。
プロフィール
遠賀郡岡垣町出身。中村学園大学短期大学部食物栄養学科を卒業後、国家公務員共済組合連合会浜の町病院に入職。栄養係長、栄養管理室長を経て、2000年、栄養課長に就任。2009年、退職後、中村学園大学栄養科学部栄養科学科教授に就任。2005年、中村学園大学大学院栄養科学研究科修了。2013年、公益社団法人福岡県栄養士会会長に就任。公益社団法人日本糖尿病協会理事、福岡県糖尿病療養指導会会長、日本病態栄養学会理事など。2006年、栄養関係功労者厚生労働大臣表彰受賞。
西日本新聞・春秋・2021/12/11

大部 正代(おおべまさよ)さん
公益社団法人福岡県栄養士会 会長 / 中村学園大学 栄養科学部・栄養クリニック 教授
地域や高齢者への「栄養支援」と「心のサポート」を目指して
心身の健康と密接にかかわる食事。ところが近年、食生活をめぐる環境は大きく変化し、肥満や生活習慣病の増加だけではなく、高齢者や疾病時の低栄養など、多くの問題が生じている。健康な食生活のアドバイザーとして広く活躍している管理栄養士・栄養士。福岡県栄養士会会長として、大部正代さんは食支援や栄養サービス事業に積極的に取り組んでいる。
プロフィール
遠賀郡岡垣町出身。中村学園大学短期大学部食物栄養学科を卒業後、国家公務員共済組合連合会浜の町病院に入職。栄養係長、栄養管理室長を経て、2000年、栄養課長に就任。2009年、退職後、中村学園大学栄養科学部栄養科学科教授に就任。2005年、中村学園大学大学院栄養科学研究科修了。2013年、公益社団法人福岡県栄養士会会長に就任。公益社団法人日本糖尿病協会理事、福岡県糖尿病療養指導会会長、日本病態栄養学会理事など。2006年、栄養関係功労者厚生労働大臣表彰受賞。