今日は四字熟語の勉強です。
「二十四孝」は中国で親孝行とされた人物を取り上げた本で、日本でも寺子屋の教材になった。24人中唯一の皇帝が母の毒味役になった漢の文帝、劉(りゅう)恒(こう)である。その文帝に重臣が、朝の命令を夕に改めるような首尾一貫しない政策は民を苦しめると説いた。「朝(ちょう)令暮改(れいぼかい)」の由来である▲その4字が思い浮かんだ人も少なくあるまい。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への水際対策として国際線の新規予約停止を求めた政府の要請が撤回された。航空会社に通知を出してから3日後の方針転換である▲「批判は私が負う」と外国人の新規入国を原則禁止すると決めた岸田文雄(きしだ・ふみお)首相だった。後手の対応が批判された前政権の轍(てつ)を踏まぬ決意だろうが、思わぬ混乱が起きた。国土交通省が独断で要請を出し、首相も斉藤鉄夫(さいとう・てつお)国交相も事前に知らされていなかった▲クリスマスや年末を前にした師走の忙しい時期である。海外に短期出張中の人も多いだろう。正月は帰国したいと思いながら予約を後回しにしていた海外駐在員もいるのではないか。予約停止は帰国のドアを閉ざすことになる▲「過(あやま)ちては則(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ」という孔子の言葉もある。国家の務めである邦人保護の観点に立てば「朝令暮改」の批判を恐れるより、方針転換の方が望ましい▲漢字の似た「朝(ちょう)三暮四(さんぼし)」は言葉だけでごまかし、当座をしのぐことを意味する。こちらは正当化できない。前政権の反省に立つなら国民への説明を尽くすことがより重要である。
毎日新聞・余禄・2021/12/04

朝三暮四(ちょうさんぼし)の意味・使い方 - 四字熟語一覧
朝三暮四(ちょうさんぼし)の意味・使い方。目先の違いにとらわれて、結局は同じ結果であることを理解しないこと。また、言葉巧みに人を欺くこと。
「二十四孝」は中国で親孝行とされた人物を取り上げた本で、日本でも寺子屋の教材になった。24人中唯一の皇帝が母の毒味役になった漢の文帝、劉(りゅう)恒(こう)である。その文帝に重臣が、朝の命令を夕に改めるような首尾一貫しない政策は民を苦しめると説いた。「朝(ちょう)令暮改(れいぼかい)」の由来である▲その4字が思い浮かんだ人も少なくあるまい。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への水際対策として国際線の新規予約停止を求めた政府の要請が撤回された。航空会社に通知を出してから3日後の方針転換である▲「批判は私が負う」と外国人の新規入国を原則禁止すると決めた岸田文雄(きしだ・ふみお)首相だった。後手の対応が批判された前政権の轍(てつ)を踏まぬ決意だろうが、思わぬ混乱が起きた。国土交通省が独断で要請を出し、首相も斉藤鉄夫(さいとう・てつお)国交相も事前に知らされていなかった▲クリスマスや年末を前にした師走の忙しい時期である。海外に短期出張中の人も多いだろう。正月は帰国したいと思いながら予約を後回しにしていた海外駐在員もいるのではないか。予約停止は帰国のドアを閉ざすことになる▲「過(あやま)ちては則(すなわ)ち改(あらた)むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ」という孔子の言葉もある。国家の務めである邦人保護の観点に立てば「朝令暮改」の批判を恐れるより、方針転換の方が望ましい▲漢字の似た「朝(ちょう)三暮四(さんぼし)」は言葉だけでごまかし、当座をしのぐことを意味する。こちらは正当化できない。前政権の反省に立つなら国民への説明を尽くすことがより重要である。
毎日新聞・余禄・2021/12/04

朝三暮四(ちょうさんぼし)の意味・使い方 - 四字熟語一覧
朝三暮四(ちょうさんぼし)の意味・使い方。目先の違いにとらわれて、結局は同じ結果であることを理解しないこと。また、言葉巧みに人を欺くこと。