部屋の資料をかたずけているとひと月ほど前の新聞記事の切り抜きが見つかりました。記事は今年の8月20日読売新聞の社会面ライフストーリーに出た記事です。熊本地震の際のテレビニュースで電話で出演し「余震ではない。この地震こそ『本震です』」と大地震後は規模の小さな余震しか起きないというこれまでの固定概念を覆して発言した人の話です。生まれは宮崎県延岡市、1966年生まれ現在50歳の遠田晋次・地震地質学を専門とする東北大教授。自分の仕事に執念と誇りを持っているのが良く読み取れます。
・・14日の地震の震源地は二つの活断層帯の境目付近だったが、ずれが広範囲に連鎖し、再び大地震が起きる可能性があると危惧したが、本震後、「まさか」という思いと、研究者として予測できなかった悔しさでほとんど眠れなかったそうです。16日の午後、リュックを背に益城町に入り、さらなる地震の可能性を予測し避難生活や復旧作業を安全に進めるためには、活断層の調査が欠かせないからだと言う。95年に起きた阪神大震災はマグニチュード7.3の激震が神戸の市街地などを襲った。街は一変し、鉄道網は寸断。横倒しになった阪神高速道路、倒壊したビルや住宅の隙間を縫うように歩いた。沿道には遺体もあった。
「救助もせず、調査をしていいのか」「調査する姿を被災者が不愉快に感じないか」。被災者の目を気にし、隠れるように撮影して回ったが、歩いても歩いても断層は見つからなかった。そのご、地表に現れない「伏在断層」が原因だと分かった。「何の役にも立てなかった」。大きな無力感にさいなまれた。「何のために研究をするのか」。・・・
・・・熊本地震でも、自分をはじめ、多くの研究者が、短時間に震度7が2度起きることを予測できなかった。それでも、「地震の予知は無理だが、発生する確率の高さなら導き出せる」と奮起する。大学時代からの旧友で、多くの被災地を合同調査した鳥居真之・熊本大特任准教授(地質学)は「どんな厳しい被災地でも、先頭を切って歩いて行く。現場を大事にし、汗を流すことを惜しまないうえ、地球全体を見渡せる豊富な調査経験を持つ数少ない研究者」と評する。
現場で困難な状態にある被災者を目にする。直接、手を差しのべる立場にない研究者としての仕事にもどかしさを感じる事もある。それでも、今はこう確信している。「活断層を究めることが私にできる被災地支援」

遠田晋次(50)
新聞の記事によると家族は京都市に住み、自身は仙台市に単身赴任中。現地調査は体力が必要なため、ジョギングやジム通いが日課。熊本地震以降、ひと月に一度のペースで熊本県益城町や西原村などでの調査を重ねる。調査で苦労を分かち合った同僚や教え子らと酒を酌み交わす時間が、数少ない息抜きだという。

●伏在断層(ふくざいだんそう)とは、断層運動によるずれが地下深部でのみ生じたり、またはずれた後に急激に土砂で埋められたりして、地表では確認されない断層のこと。
●地表では確認できないが地下に埋没して存在する断層
・・14日の地震の震源地は二つの活断層帯の境目付近だったが、ずれが広範囲に連鎖し、再び大地震が起きる可能性があると危惧したが、本震後、「まさか」という思いと、研究者として予測できなかった悔しさでほとんど眠れなかったそうです。16日の午後、リュックを背に益城町に入り、さらなる地震の可能性を予測し避難生活や復旧作業を安全に進めるためには、活断層の調査が欠かせないからだと言う。95年に起きた阪神大震災はマグニチュード7.3の激震が神戸の市街地などを襲った。街は一変し、鉄道網は寸断。横倒しになった阪神高速道路、倒壊したビルや住宅の隙間を縫うように歩いた。沿道には遺体もあった。
「救助もせず、調査をしていいのか」「調査する姿を被災者が不愉快に感じないか」。被災者の目を気にし、隠れるように撮影して回ったが、歩いても歩いても断層は見つからなかった。そのご、地表に現れない「伏在断層」が原因だと分かった。「何の役にも立てなかった」。大きな無力感にさいなまれた。「何のために研究をするのか」。・・・
・・・熊本地震でも、自分をはじめ、多くの研究者が、短時間に震度7が2度起きることを予測できなかった。それでも、「地震の予知は無理だが、発生する確率の高さなら導き出せる」と奮起する。大学時代からの旧友で、多くの被災地を合同調査した鳥居真之・熊本大特任准教授(地質学)は「どんな厳しい被災地でも、先頭を切って歩いて行く。現場を大事にし、汗を流すことを惜しまないうえ、地球全体を見渡せる豊富な調査経験を持つ数少ない研究者」と評する。
現場で困難な状態にある被災者を目にする。直接、手を差しのべる立場にない研究者としての仕事にもどかしさを感じる事もある。それでも、今はこう確信している。「活断層を究めることが私にできる被災地支援」

遠田晋次(50)
新聞の記事によると家族は京都市に住み、自身は仙台市に単身赴任中。現地調査は体力が必要なため、ジョギングやジム通いが日課。熊本地震以降、ひと月に一度のペースで熊本県益城町や西原村などでの調査を重ねる。調査で苦労を分かち合った同僚や教え子らと酒を酌み交わす時間が、数少ない息抜きだという。

●伏在断層(ふくざいだんそう)とは、断層運動によるずれが地下深部でのみ生じたり、またはずれた後に急激に土砂で埋められたりして、地表では確認されない断層のこと。
●地表では確認できないが地下に埋没して存在する断層