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Posted by おてもやん at

2016年12月10日

 文学散歩阿蘇 漱石

八代図書館の文学散歩の旅が昨日ありました。
熊本時代の夏目漱石が一高に転任する山川信次郎の送別を兼ねて阿蘇に旅行をしました、その時に養神亭(現在の熊本阿蘇内牧温泉の山王閣)に泊まっています。そして阿蘇神社を参拝して、山頂に向かったが嵐で道に迷いました。この体験をもとにして、後に『二百十日』を書きます。
小説『二百十日』の(恵比寿ビール)のヒトコマ・・・
「何でもいいから、玉子を持って御出。それから、おい、ちょっと待った。----君ビールを飲むか」
「飲んでもいい」と圭さんは泰然たる返事をした。
「飲んでもいいか、それじゃ飲まなくってもいいんだ。----よすかね」
「よさなくっても好い。ともかく少し飲もう」
「ともかくか、ハハハハ。君程、ともかくもの好きな男はないね。それで、あしたになると、ともかくも饂飩(うどん)を食おうと云うんだろう。----姉さん、ビールを序でに持ってくるんだ。玉子とビールだ。分かったろうね」
「ビールは御座りまっせん」
「ビールがない?-----君ビールはないとさ。なんだか日本の領地でない様な気がする。情けない所だ」
「なければ、飲まなくっても、いいさ」と圭さんは又泰然たる挨拶をする。
「ビールは御座りませんばってん、恵比寿なら御座ります」
「ハハハハ、愈々(いよいよ)妙になって来た。おい君ビールでない恵比寿があるって云うんだが、その恵比寿でも飲んでみるかね」
「うん、飲んでもいい。----その恵比寿はやっぱり壜に這入っているんだろうね、姉さん」と圭さんはこの時漸(ようや)く下女に話しかけた。
「ねぇ」と下女は肥後訛りの返事をする
「じゃ、ともかくもその栓を抜いてね。壜ごと、ここへ持って御出」
「ねぇ」
下女は心得貌(こころえがお)に起(た)っていく。


ホテル山王閣の玄関

漱石たちが泊まって恵比寿ビールを飲んだ部屋が現在山王閣の中庭に移築されて残っています。『二百十日』の恵比寿ビールや山王閣について説明される前山光則先生


山王閣の中庭、漱石の銅像と漱石が泊まった部屋を別棟に移築して残してあります

内牧にある明行寺、小説『二百十日』の冒頭にも出てきます

門前には二百十日文学碑と句碑があります
『白萩の露をこぼすや温泉の流(ゆのながれ)』

この後阿蘇神社に参拝しました



右から2番目に写っているご婦人は今回参加者で最高齢の92歳・・お元気です

阿蘇神社は四月の熊本地震で国の重要文化財であった見事な楼門や拝殿が崩れて悲惨な状況になっています
聞くところによると、壊れた個所を写真のクレーンで持ち上げて修復するのではなく、部品を全部バラバラにして組み直すそうです。
今回の文学散歩阿蘇の旅の行き先は●的石御茶屋跡 ●宋不旱歌碑 ●山王閣 ●阿蘇神社 ●道の駅阿蘇の順で廻りました。

  


Posted by マー君 at 11:57Comments(0)講座熊本