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Posted by おてもやん at

2014年06月22日

『恥』と『同類』




今年1月に亡くなった詩人の吉野弘さんに、漢字を題材にした作品群がある。『同類』という詩は短い。<脳も胸も、その図らいも/凶器の隠し場所>。◆人は誰しも聖人ならぬ身ゆえ、凶器のように野蛮な言葉をふと思いつくことがある。脳や胸にとどめているぶんには咎め立てするつもりはないが、人前、それも厳粛であるべき議場で言い放ったとなれば話は別である◆「まず自分が産めよ」「産めないのか」。東京都議会で妊娠や出産の支援策を質問した女性都議(35)に、男性都議がヤジを飛ばしたという◆世の女性に対する侮辱であり、年若い同僚議員に対するいじめでもあろう。言葉の凶器に胸が悪くなる。発言者を特定することなくうやむやに済ませるのなら、詩の題名ではないが、議員の全員が野蛮な〝同類〟になる。これが6年後には世界各国から客人を招く首都の議員かと思うと、情けなく、恥ずかしい◆いま書いた『恥』の字も、吉野さんの詩にあった。<心に耳を押し当てよ/聞くに堪えないことばかり>。都議会のセンセイ方のためにかかれたような詩である。

読売新聞 [編集手帳] 2014・6・21

まことに的を射た寸評です。ヤジを飛ばした議員の方は恥ずかしくて名乗れないでしょう。議員の資格はありません。  


Posted by マー君 at 09:05Comments(0)記事