STAP細胞がまた話題になっている。小保方氏 全論文の撤回同意 「検証実験参加のため」・・
2014・6・5 読売新聞 【編集手帳】 より
ウキクサの一種アオウキクサは、窒素を与えずに栄養不足の飢餓状態に置くと、つぼみをつける。キク科のオナモミは、光を遮断された暗黒のなかでつぼみをつける◆植物学者、田中修さんの近著『植物は命がけ』(中公文庫)からの受け売りだが、人間によく似ているなと思う。年配の人は誰しも、今の自分が形作られた過去をたどっていけば、孤独という精神の飢餓に耐え忍んだ暗黒の日々に行き着くだろう◆「最悪期」が「成長期」の別名とはあとで振り返って分かることで、挫折のさなかは苦しみにのたうつばかりである。おそらくその人も今◆理化学研究所の小保方晴子さんが、研究不正と認定されたSTAP細胞の主論文について、撤回することに同意したという。もう一人の責任著者である米国の大学教授も撤回に傾いているといわれ、「生物学の常識を覆す」と話題を呼んだ研究成果は残念ながら白紙に戻るらしい◆金子みすゞの詩『星とたんぽぽ』の一節を。<春のくるまでかくれてる/つよいその根は眼にみえぬ>。探究心の根を地に深く張ってさえいれば、つぼみのひらく春はいつか来る。

苦しい小保方さんの心境、何とか応援してしてあげたいのがみんなの気持ち、金子みすゞの詩を彼女への応援歌。非常に鋭い論説だと思います。
2014・6・5 読売新聞 【編集手帳】 より
ウキクサの一種アオウキクサは、窒素を与えずに栄養不足の飢餓状態に置くと、つぼみをつける。キク科のオナモミは、光を遮断された暗黒のなかでつぼみをつける◆植物学者、田中修さんの近著『植物は命がけ』(中公文庫)からの受け売りだが、人間によく似ているなと思う。年配の人は誰しも、今の自分が形作られた過去をたどっていけば、孤独という精神の飢餓に耐え忍んだ暗黒の日々に行き着くだろう◆「最悪期」が「成長期」の別名とはあとで振り返って分かることで、挫折のさなかは苦しみにのたうつばかりである。おそらくその人も今◆理化学研究所の小保方晴子さんが、研究不正と認定されたSTAP細胞の主論文について、撤回することに同意したという。もう一人の責任著者である米国の大学教授も撤回に傾いているといわれ、「生物学の常識を覆す」と話題を呼んだ研究成果は残念ながら白紙に戻るらしい◆金子みすゞの詩『星とたんぽぽ』の一節を。<春のくるまでかくれてる/つよいその根は眼にみえぬ>。探究心の根を地に深く張ってさえいれば、つぼみのひらく春はいつか来る。

苦しい小保方さんの心境、何とか応援してしてあげたいのがみんなの気持ち、金子みすゞの詩を彼女への応援歌。非常に鋭い論説だと思います。