
熊本地震「異例と言えぬ」連続発生や飛び火過去にも 神戸大名誉教授・石橋氏に聞く・・という記事にアムールプレートという名前が出てきました。直接には熊本地震との関連性は無い?と思われますが今後起こると予測される南海トラフ地震との関係に繋がるものなので、取り上げてみました。
地震の歴史に詳しい神戸大の石橋克彦名誉教授(地震学)は、一連の地震現象を「続けて激しい揺れに見舞われることも、広域で連鎖することも過去にあった」と解説する。
「前震-本震」型の例は多くある。例えば1896年8月31日、秋田・岩手県境付近で発生した陸羽(りくう)地震(M7・2、死者約200人)。23日からM5・5を含む前震が続き、本震の30分ほど前にM6・4の前震が発生した。連続した激しい揺れは起きうるのだ。
地震が広域で飛び火した事例として1925年の北但馬地震(M6.8、死者400人以上)と2年後の1927年の北丹後地震(M7.3、死者3000人弱)、誘発・続発地震の間隔は短期から10年単位まで幅があることに注意が必要。大きな余震が10年以上後に起こることもある。2013年4月に淡路島中部でM6・3の地震があり、住宅109棟が全半壊した。95年の阪神大震災の余震だ。・・・・
【南海トラフとの関係注視】
熊本地震は、マグニチュード(M)8~9級の南海トラフ地震につながっていく内陸地震の一つではないか-。石橋氏はこんな大局的な仮説を立てる。重要なのが、地球表層を覆うプレート(岩板)の動きだ。
南海トラフ地震は100~200年周期で発生。ユーラシアプレートの東にあり、中部地方-九州を覆うとみられる小規模岩板「アムールプレート」の下に、フィリピン海プレートが沈み込む境界で起きる海溝型地震だ。石橋氏は、アムールプレートが年間1~2センチずつ東に向かうことで境界付近に力を加えていることも南海トラフ地震発生の要因、との説を唱えてきた。
歴史を振り返ると、南海トラフ地震発生の50年くらい前から、日本海東縁-西日本内陸で複数の大規模地震が発生。石橋氏は、1995年の阪神大震災▽2000年の鳥取県西部▽04年の新潟県中越▽05年の福岡沖▽07年の能登半島▽07年の新潟県中越沖-の各地震は、南海トラフ地震につながる内陸地震ではないかと考えている。各地震は、アムールプレートの東進が北米プレートとフィリピン海プレートにブロックされて生じる、「東西圧縮」の力で発生したとみられる。
熊本地震も東西圧縮による「右横ずれ型」だ。別府島原地溝帯と呼ばれる九州中部の陥没帯の縁で起きたために複雑にみえるが、石橋氏は「大局的には福岡沖地震などと同類。熊本地震が南海トラフ地震を誘発するわけではないが、巨大地震の前に発生する地震の一つだと思う。ほかの地域でも大地震が起きやすくなっている」と指摘する。
=2016/06/19付 西日本新聞朝刊=参照

アムールプレートは満州、朝鮮半島、西日本、沿海地方に位置する小規模なプレート。チャイナプレートとも呼ばれる。かつてはユーラシアプレートの一部と考えられていたが,現在ではユーラシアプレートに対して南東方向に動く独立したプレートであると考えられている。
【震度1以上の日別地震回数】
4/14-4/30 【回数】1093 【累計】1093
5/1 -5/31 520 1613
6/1 6 1619
6/2 16 1635
6/3 10 1645
6/4 4 1649
6/5 8 1657
6/6 11 1668
6/7 12 1680
6/8 14 1694
6/9 6 1700
6/10 7 1707
6/11 5 1712
6/12 11 1723
6/13 11 1734
6/14 3 1737
6/15 8 1745
6/16 7 1752
6/17 5 1757
6/18 5 1762

熊本地震 今後も警戒
支え合おう熊本‼