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2015年11月16日

ムカサリ絵馬

読売新聞文化面(11/16・月) 
霊魂を「成長」させる知恵という見出しで川村邦光・阪大教授の「弔いの文化史」の本の紹介がありました。
戦争や災害などで非業の死を遂げた人や志半ばでこの世を去らなければならなかった人など日本人がそうした死者とどう向き合ってきたのかをしるしています。
「子供を亡くした親は、どのように踏ん切りをつけるのか。寿命だった、というのではなかなか納得できない」弔いの形を表すものとして一般的には遺影がありますが写真は生前の面影を固定してしまう。
遺影とは対照的な弔いとして例に挙げるのが、山形県最上・村山地方でみられる「ムカサリ絵馬」だ「ムカサリ」は婚礼を意味し、未婚の死者の霊を供養するため、花嫁や花婿を描いた絵馬を寺や神社に奉納する。未婚で死んだ人も結婚し、所帯を構え、子孫を残して「1人前の大人」になるという考え方だ。
青森県津軽地方では花嫁人形、花婿人形を寺などに奉納するが、背景にある思いは同じだ。「霊魂を成長させるという発想。それで遺族も気楽になり、その後の生き方も変わるのだろう」。人形にには遺影を添えることも多く、それが遺影に対する執着を溶解させるとも考えられるという。
供養の多様化 死者への執着・・
死者があの世でも成長し、霊魂として成熟するという思想は、民俗学者の折口信夫(1887~1953)が「念仏踊り」に関して述べている。「念仏踊り」で若者が年長者から鍛錬を受けることで、若くして亡くなった「未完成の霊魂」もあの世で成熟し、共に「魂の完成」ができるとする。「死者を成熟させる」供養は、日本が長く伝えてきた知恵でもあるのだ。
一方、こうした供養は地域社会にとっても意味がある、と川村教授は指摘する。例えば沖縄には、死者の霊魂を鎮めるために徹夜で踊る風習があるが、「死者が媒介となって人々がつながり、社会がまとまっている」と語る。とはいえ、近年は樹木葬や合葬墓、散骨など、供養の形も多様化している。一方で生命は死によって消滅するとみる近代的生命観を持ちながら、他方で死んでいった人への執着を解消できない現代人が「この生きづらさを何とかしようと多様化させてきたのだろう」。そんな困難があるからこそ、各地で伝えられてきた「弔いの文化」を見直す意味があるのかもしれない。

供養について何か頭の中でもやもやするものがあって気持ちとしてすっきりしないものがあります。この年になると行く末の事がやはり気になるものです。ムカサリ絵馬

  


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Posted by マー君 at 12:02│Comments(0)記事
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