2014年07月18日
ミツバチの衆議一決

人々は一体何を学んできたのかな・・短いコラムですが面白い記事なので書き写しました。
「ミツバチの衆議一決」なる言葉を、九州大でも教えた動物行動学者、桑原万寿太郎さんの随筆で知った。民主主義は人間の専売特許にあらず。ミツバチの社会にも議決があるそうだ▸巣別れの時期。後継者を育てた女王バチは数万の働きバチの半数を率いて巣を飛び出す。群れはいったん近くにとどまり、偵察バチが八方に飛んで新しい巣の候補地を探す▶戻った偵察バチはそれぞれの成果をダンスで報告。ハチたちはこれと思える場所を見に行き、納得すればそのダンスに加勢する。こうして10以上の候補地は2,3に絞られ、最後は衆議一決。移動が始まる▶こちらは衆議一決せぬままの見切り発車に。九電川内原発が原子力規制委の新規制基準に「合格」した。地元同意を得て、秋以降に再稼働の見通しという▶本当に大丈夫か。地震と火山と台風の国の民は心配になる。「規制委が基準適合と認めれば再稼働」と政府。規制委は「安全だとは申し上げない」(田中俊一委員長)。誰が安全を保障し、誰が再稼働の決断に責任を持つのか。フクシマの教訓はもう忘れたか▶ミツバチに多数決の知恵はない。だから「生き残る可能性」を唯一の基準に衆議を尽くす。判断を誤れば全滅。全責任は女王が負う。自然の掟は明快だ。責任を押し付け合う人間も、もっと簡単に考えればよい。判断の基準はただ一つ。大多数の国民が納得できる「安全」である。
2014・7・18 西日本新聞 春秋
Posted by マー君 at 13:46│Comments(0)
│記事