2022年01月14日
窓霜(まどしも)のお話
冷え込んで、窓ガラスの内側に霜が現れる現象を「窓霜」という。室内の水蒸気が凍って氷の結晶となる現象で、暖房の整った建物では見られなくなった◆結晶は美しく羽毛やシダの葉に例えられる。花に見立てたのは石川啄木である。<水蒸気列車の窓に花のごと凍てしを染むるあかつきの色>。この歌が詠まれたのは北海道の旭川駅とされる。雪がやんだのか朝日が差し、色づく氷の花に癒やされたらしい◆降雪が中断し、除雪作業に適した天気だったのかもしれない。雪をどけてはまた降られ、北国の生活は重労働を伴う◆独り暮らしの高齢者宅などを対象にした除雪ボランティアが不足しているという。自治体が交通費を払う制度に都会の若者が登録し、派遣される仕組みだが、感染症の拡大で自治体側は募集を控えざるをえない状況にある。以前、この活動の記事を読んで若い人たちの気持ちに感心したことがある◆今年のルポは山形県上山市からだった。病気で足の悪い91歳の男性宅で地元の中学生らが作業を買って出た(12日夕刊東京版)。氷の結晶以上に癒やされるものが、窓に映ったことだろう。
讀賣新聞編集手帳・2022/01/14

讀賣新聞編集手帳・2022/01/14
