2021年04月10日

石灰岩とは何ぞや

今日の勉強はこれにしました。

石灰岩のでき方
石灰岩のでき方
石灰岩のでき方は次のように考えられています。石灰岩の材料は、サンゴ礁です。サンゴ礁の下は海山(かいざん)になっており、この海山がプレートという、地球の表層の岩の板にのっかっています。よく地震の解説に出てくるユーラシアプレートなどのプレートのことです。


このプレートが長い時間をかけて移動して、海溝(かいこう)に行き付きます。ここでは海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込みます。このとき、海洋プレートの上にあるサンゴ礁や海溝に堆積したものが大陸プレートにぶつかり、陸地と一体化して石灰岩ができあがります。


一口にサンゴ礁といいましたが、実際には有孔虫、ウミユリ、サンゴ、貝などの石灰質の殻が堆積したものです。日本の石灰岩は、今から3~2億年前に堆積したもので、2億5千~1億5千年前に陸地と一体化したと言われています。石灰岩は世界中に分布していますが、日本の石灰岩は土砂の混じりが少なく、炭酸カルシウムの純度が高いといわれています。

石 灰岩の特徴
大部分が方 解石からなり,白色~灰色のものが多く,ハンマーですぐに傷がつき,塩 酸に発泡しながら溶ける。海生動物の化石が見られることが多い。製鉄やセメントなどの原料として採掘される。

●石灰岩の兄弟
サンゴ、貝などの石灰質の殻が石灰岩の子供とすると石灰岩の兄弟もいます。大理石です。大理石は、石灰岩がマグマの熱の影響を受けて、結晶質の石灰岩となったもので、英語ではmarble(マーブル)といいます。石灰岩を作る方解石の結晶が肉眼で見えるくらいに大きく成長して、ピカピカしています。そのため、石材として非常に重宝されています。ところで、マーブルチョコレートのマーブルは大理石から来ています。チョコの表面が大理石のようにピカピカしていることとマーブルには「おはじき」という意味もあることから、この名前になったそうです。

●方解石(ほうかいせき、calcite、カルサイト)は、鉱物(炭酸塩鉱物)の一種。組成は炭酸カルシウム(CaCO3)。
比重2.7。モース硬度3。六方晶系。
石灰岩の主成分鉱物で、鉱石として扱われる場合は石灰石、石材として扱われる場合は大理石と呼ばれる。変成岩である結晶質石灰岩では、方解石の細かな結晶が、再結晶して大きくなる。純粋なものは透明か白だが、不純物を含み色のついているものもあり、美しいものは大理石として珍重される。
方解石
方解石


大理石(だいりせき、英: marble, マーブル)とは、石灰岩が変成作用を受けてできた粗粒の方解石からなる岩石のこと。岩石学では「結晶質石灰岩」と呼び、変成岩の一種と位置付けている。→#岩石学での位置づけ 古代より建築材料や彫刻の材料として使われている。→#石材や建築材料
パルテノン神殿
パルテノン神殿
「大理石」は石材としての呼称であるが、変成作用を受けていない石灰岩(化石を含む場合あり)や、蛇紋岩などもそう呼ばれる場合がある。

ー石材としてー
石灰岩の活躍の1番目は何と言っても石材です。古くはスフィンクスの石材として使われています。スフィンクスがある場所は、太古は海であった場所でもあり、石灰岩でできています。ここを掘り下げてスフィンクスを作り、掘り下げる時にできた石材を使って周りの神殿を作ったそうです。


地層はもともと海だった名残で塩分を多く含むため、毛細管現象によりスフィンクスの表面に塩分が集まり乾燥して塩ができます。この時に体積が膨張するので、石灰岩の表面がボロボロになってくるため、スフィンクスは何度も修復されています。日本の研究者により、電気探査という地層を調べる技術を応用して、スフィンクスの修復や保存のための調査をしたこともあります。


石材としては、石灰岩の兄弟の大理石も大活躍しています。世界的にはインドのタージ・マハールが有名ですが、身近なデパートや銀行などの立派な建築物の壁や床にもたくさん使われ、光り輝いて豪華で荘厳な雰囲気を演出しています。
タージ・マハル
タージマハルは、真っ白な大理石で作られ”世界一美しい霊廟”といわれる、インド随一の観光名所です。 左右対称で整った美しい建築は、1983年に世界遺産にも登録されています。

ー粉末にしてー
次は、石灰岩や貝殻をすり潰した粉末の利用です。成分は炭酸カルシウム(CaCO3)です。まずは、冒頭に出てきた白の岩絵の具の胡粉です。その他にもベビーパウダー、チョーク、歯磨き粉、化粧品原料、食品添加物、入浴剤にも使われています。その中でもほとんどが炭酸カルシウムからできているのがチョークです。


チョークは炭酸カルシウムの粉を固めたものです。本来は白色ですから、色付きのものは顔料を混ぜています。最近では貝殻や卵の殻などの炭酸カルシウムを原料にして、水産加工や食品製造で発生する未利用資源を有効利用して作られています。特に神奈川県の川崎市を拠点とするチョークなどの学用品の会社は、高い品質と多くの障害者の雇用で広く知られています。


粉末にした石灰岩は、石炭火力発電所の公害防止でも活躍しています。石炭の燃焼ガスには二酸化硫黄(にさんかいおう(SO2))が含まれているので、そのまま排出するわけにはいきません。そこで、燃焼ボイラーから出る排ガスを石灰石の粉末と水とを混ぜて作ったスラリーの中に吹き込みます。排ガス中の二酸化硫黄はスラリーに吸収され、除去されます。吸収された二酸化硫黄は石膏(せっこう)となります。この装置が排煙脱硫装置(はいえんだつりゅうそうち)で、できた石膏が脱硫石膏と呼ばれるものです。

ー石灰岩が作るユニークな地形ー
石灰岩が作る地形は大変ユニークで、その代表がカルスト地形です。ドイツ人がスロベニア(イタリアやオーストリアの隣国)のクラス地方の研究を熱心にしていたので、クラスのドイツ語読みのカルストが一般的になったそうです。


石灰岩は水にわずかに溶けるため、石灰岩の地面は長い時間をかけて水により侵食されることでドリーネと呼ばれる穴ができます。穴はすり鉢状で、直径は数メートルから数百メートル、深さは浅いものから100mになるものまであるそうです。穴は徐々に大きくなったり、隣の穴と繋がったりしていきます。

石灰岩とは何ぞや
模式的なカルスト地形(左)と模式的な鍾乳洞(右)

カルスト地形は、土壌ができにくく雨水が溜まりにくくて樹木が育たないため、草原の風景です。山口県の秋吉台、福岡県の平尾台、四国カルストが有名で、天然記念物や国定公園に指定され、観光地となっています。


海外では、中国の桂林が有名です。川の流域に石灰岩層が溶かされてできた塔状の峰が多数みられ、風光明媚な場所です。石灰岩は4億~3億年前にできたもので、厚さは3,000メートル以上にわたっているそうです。この石灰岩地帯は、桂林からベトナム北部まで続き、ベトナムではハロン湾に塔状の峰が、彫刻作品のような島々の景観を見せています。石灰岩台地が沈み、侵食作用がさらに進んで、現在の姿となったそうです。


一方、地下の石灰岩も水により侵食され、地下に複雑な空洞のある地形を作ります。これが鍾乳洞(しょうにゅうどう)あるいは石灰洞(せっかいどう)です。鍾乳洞の中には石灰岩が溶けてできた成分が沈澱などにより塊となることがあります。塊は、鍾乳洞の天井から垂れ下がるようにしてできるものを鍾乳石、地面から生えるように伸びるものを石筍(せきじゅん)といいます。


鍾乳洞は北海道から沖縄に至るまでたくさんあります。天然記念物に指定されて、多くは観光地となっています。中には、土器などが発見される場所もあり、古くから信仰の場としても利用されてきたそうです。沖縄の鍾乳洞では、特に旧石器時代の人骨がたくさん発見されています。旧石器時代といえば、壁画で有名なアルタミラ洞窟も鍾乳洞です。
スペイン世界遺産アルタミラ洞窟壁画
スペイン世界遺産アルタミラ洞窟壁画

以上地層科学研究所の文献より

●石灰岩とチャートの違い
石灰岩は主成分が炭酸カルシウム。 ... 日本にあるものは、沖合の島に形成されたサンゴ礁起源のものがほとんどで、大本はサンゴ、フズリナ、有孔虫、ウミユリなど石灰質の体をもったものの死体が堆積したもの。 チャートは、主成分が二酸化ケイ素で、ガラスと同じ成分でできている固い岩石。
石灰岩は主成分が炭酸カルシウム(CaCO3)。どちらかというと白~灰色の明るい色が多い。塩酸など酸をかけると溶けて泡が出ます。
日本にあるものは、沖合の島に形成されたサンゴ礁起源のものがほとんどで、大本はサンゴ、フズリナ、有孔虫、ウミユリなど石灰質の体をもったものの死体が堆積したもの。
チャートは、主成分が二酸化ケイ素(SiO2)で、ガラスと同じ成分でできている固い岩石。日本に分布するものは、遠い大洋底に長い時間をかけて堆積した放散虫が作り出した殻が堆積したもの。色調は、赤、黒、緑などいろいろあるが、少し透き通るような感じに見えるものがある。
どちらも浸食に強いので、山地で崖を作ったり独立峰を作っていたりすることが多い。しかし、石灰岩は酸に溶ける性質から、弱炭酸水である雨水などに徐々に溶かされて、カルストという特殊な地形を作り出す。また、後からマグマなどで熱をくわえられると、結晶質石灰岩という、白い炭酸カルシウムの結晶からなる岩石に変化する。狭い意味での大理石はこの結晶質石灰岩のこと。

チャートを作っているのは、放散虫という二酸化ケイ素の殻をもったプランクトンです。チャートは放散虫が水深3000~4000メートルの海洋底で降り積もってできます。海洋で形成されたチャートはプレートに乗って大陸まで運ばれ、大陸プレートに付加されるのです。これを付加体と呼びます。チャートは海洋底で形成されるため、大陸起源の泥などの不純物は殆どありません。

日本は付加体でできているため、いたるところでチャートの露頭を見ることができます。一見石灰岩と区別することが難しですが、ハンマーで傷をつけようとしたときに岩石の方に傷が付けば石灰岩、ハンマー側に傷が付けばチャートです。露頭でチャートを探す時はこの見分け方を覚えておきましょう。
石灰岩とは何ぞや

チャートは主成分が二酸化ケイ素でできている堆積岩です。二酸化ケイ素は石英と同じ成分をしています。石英と同じ成分でできているということは、チャートはとても硬い岩石なんです。チャートは割とどこでも見られる岩石で、河川敷などでも拾うことができます。チャートはとても硬いため、他の岩石が川を下る間に砕けてぼろぼろになってもチャートは小石として残っていることが多いです。
study-zより


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Posted by マー君 at 10:02│Comments(0)地学
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