2019年04月10日
難しい日本語・・穿つの意味 (闘病日誌)

何かの文章の中に「穿たれる」という文字があり、あまり聞いたこともない言葉なので調べてみると
穴を穿たれる
タ行五段活用の動詞「穴を穿つ」の未然形である「穴を穿た」に、受身・尊敬・自発・可能の助動詞「れる」が付いた形。
ここまではあまり意味不明。
穴を穿つの意味
[動タ五(四)]《上代は「うかつ」》
1 穴をあける。掘る。また、突き通す。貫く。「雨垂れが石を―・つ」「トンネルを―・つ」
2 押し分けて進む。通り抜けて行く。
「石は灌木の間を―・って崖の下へ墜 (お) ちた」〈鴎外・青年〉
3 人情の機微に巧みに触れる。物事の本質をうまく的確に言い表す。「―・った見方」「彼の指摘は真相を―・っている」
4 袴 (はかま) ・履物などを身に着ける。履く。
「夏といえども其片足に足袋を―・ちたり」〈子規・墨汁一滴〉
5 新奇で凝ったことをする。
「紋も模様も大きに―・ち過ぎて賤しき場もありしが」〈洒・浪花今八卦〉
[補説]3について、文化庁が発表した平成23年度「国語に関する世論調査」では、「うがった見方をする」を、本来の意味とされる「物事の本質を捉えた見方をする」で使う人が26.4パーセント、本来の意味ではない「疑って掛かるような見方をする」で使う人が48.2パーセントという逆転した結果が出ている。
[可能]うがてる
この辺りまで来るとある程度の理解を得る。
さらに次の文章を読むと大きく理解度が増します。
「うがった見方」は誤用してる人が多い
「あなたはうがった見方ばっかり。うんざりだ」といったように「うがった」は否定的な意味合いで使われることが多いですが、間違いになります。
「疑ってかかるような見方」という意味で使われていますが、実際は「物事の本質を捉えた見方」という意味です。
「穿つ」が「疑う」に似ていることから、誤用されるようになったのだと思われます。
「穿つ」は「物事の本質を深く捉えている」という肯定的な意味なので、「うがった見方をするね」などと言われた場合は自身の考え方や洞察力といったものを高く評価してくれていることになります。
「うがった」には「疑う」「ひねくれている」「浅く考える」というマイナスな意味は含まれません。
文化庁が発表した「国語に関する調査」でも、「うがった見方」を本来の意味「物事の本質を捉える見方」で使う人が26%、間違った意味の「疑ってかかるような見方」で使う人が48%という結果が出ています。
「うがった見方」を勘違いしている人も多いですが、正しく使えるようにしましょう。
「穿つ」の読み方と意味
「穿つ」は<うがつ>と読みます。
「穿」は音読みだと「セン」、訓読みだと「うがつ・はく」と読みます。
「穿」は「穴をあけて通す。うがつ」を意味します。
「穿つ」の意味は、
1.孔をあける。穴を掘る。つきぬく
2.せんさくする。普通には知られていないところを暴く
3.凝ったことをする
4.中に体を通す。衣服、履物などを身につける
です。
「穿つ」は主に、 1の「穴をあける」と2の「詮索する」という意味で用います。
物事の本質を上手く的確に言い表すこと・人情の機微を巧みにとらえることを表します。
「穿つ」の元々の意味が「穴をあける」で、それが転じて「深掘りして本質に迫る」という意味になりました。
「穿つ」と「穿く」の違い
「穿く」は<はく>と読みます。
「穿く」は「腰から下の部分を覆う衣類を身に付けること」です。
「ズボンを穿く」「スカートを穿く」「靴下を穿く」などと言いますよね。
ただ「穿く」は常用外漢字のため、あまり使われません。「はく」と言うと、「履く」という字が多く使われます。
「穿つ」は「物事の本質を上手く的確に言い表すこと。穴をあけること」
「穿く」は「衣類などを、足先から通して下半身につけること」
このように、「穿く」と「穿つ」では意味が異なります。読み方が変わると意味が変わるので注意しましょう。
Posted by マー君 at 08:33│Comments(0)
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