2016年10月21日
阿蘇山のマグマ、熊本地震の断層のずれ止めた?
今日の新聞に、阿蘇山のマグマが今年4月に起きた熊本地震の活動で、地震の揺れを減らすような働きをしていたという調査発表を京大の林愛明教授(地震地質学)グループが米科学誌サイエンス電子版に論文が掲載されるとの記事を発表しました。詳しく理解するためにいろんな記事を覗いてみますと少しずつ内容が見えてきました。
以下読売新聞より記事抜粋・・
4月の熊本地震で、本震(マグニチュード7・3)の震源となった「布田川ふたがわ断層帯」(全長約64キロ以上)の破壊を、阿蘇山地下のマグマだまりが防ぎ、被害地域の範囲を狭めた可能性があると、京都大の林りん愛明教授(地震地質学)のグループが発表した。21日の米科学誌サイエンス電子版に論文が掲載される。
林教授のグループは、4月16日の本震直後から半年間、熊本県を東西に横切る布田川断層帯などの周辺で、地表に残る断層活動の痕跡を調査した。
その結果、布田川断層帯は本震の後、北東方向へ断層の破壊が進んだが、阿蘇山のカルデラ付近で止まっていたことを突き止めた。・・・

図:阿蘇カルデラ内における地震断層と地殻構造の関係を表した概念図
布田川断層の北東延長部はマグマだまりの存在により妨げられているが、地表地震断層はカルデラの表層部に現れている。

8月に撮った米塚近くの写真(地震により形成された地溝帯の一部と思われます)
阿蘇火山が妨げた熊本の地震断層破壊
2016年10月21日
林愛明 理学研究科教授らの研究グループは、2016年4月16日に発生した熊本地震の現地調査を行い、これまで知られていなかった活断層に沿って現れた全長40kmの地表地震断層(地震によって地表に現れた断層)を発見しました。また、断層の分布や地震のデータを解析した結果、阿蘇火山の地下約6kmにあるマグマだまりが地震断層破壊を妨げた可能性が高いことを明らかにしました。
本研究成果は2016年10月21日午前3時に米国の科学雑誌「Science」でオンライン公開されました。
概要
日常生活を脅かす地震・火山噴火等をはじめとした地殻運動のほとんどは、プレート運動など地球内部の運動によって引き起こされています。また、大地震はしばしば火山噴火と連動していることが知られていますが、地質学的なデータが不十分なため、火山の存在が地震断層破壊にどのような影響を与えているのかという点は未だ明らかになっていません。
そこで本研究グループは、2016年4月16日に発生した熊本地震における地震断層の変形構造の特徴と活断層との関係および阿蘇カルデラ周辺域の地殻構造との関連性について調査するため、地震の翌日から半年間、震源域周辺において現地調査を行いました。
その結果、阿蘇カルデラを横切る全長約40kmの地表地震断層を発見しました。さらに、阿蘇カルデラ内の活断層と地表地震断層の分布特徴、および地震と地球物理学データの総合解析により、熊本地震断層の破壊は阿蘇火山のマグマだまりによって妨げられた可能性が高いことを明らかにしました。『京大』

4月16日に発生した熊本地震の「本震」で、九州東部の断層が破壊されるのを阿蘇山のマグマだまりが防いだ可能性が高いと、京都大の林愛明教授らの研究グループが発表した。論文は20日付の米科学誌サイエンス(電子版)に掲載された。
論文は6月に書かれ、地震によって阿蘇山の噴火が早まる危険性を指摘していた。今月8日には阿蘇山の中岳第1火口で36年ぶりに爆発的噴火が発生し、研究グループは「今回の噴火と地震が直接関連しているか明らかではないが、論文の提言はある程度妥当性があった」としている。
熊本県では4月14日夜と同16日未明に震度7の地震が発生した。研究グループは直後から現地調査を続け、阿蘇山周辺まで延びる全長約40キロの新たな断層を発見した。
震源の熊本県南西部では、これまで知られていた布田川・日奈久断層帯に沿って地表が横ずれしていたが、阿蘇カルデラ西縁部では長さ約9キロにわたって上下約2メートルの落ち込みがあることも分かった。カルデラの東側では新たな断層は確認できなかった。
研究グループは、横ずれから落ち込みに変わったのは阿蘇カルデラ北西部の地下約6キロにあるマグマだまりによって、地震のエネルギーの方向が変化したためと分析。九州東部にエネルギーが波及するのを、マグマだまりがある程度防いだ可能性があると結論付けた。
地震によってマグマだまりにエネルギーが蓄積されたり、新たなマグマの通り道ができたりした可能性があり、噴火リスクが高まったとも指摘した。
林教授は「地震と火山マグマの関連性が示唆された。マグマだまりがあったから、大分県側まで断層が延びなかったのではないか」と話している。(2016/10/21-05:08)『時事通信』
※この記事をまとめている最中に鳥取の方で震度6弱の地震がありました。地震の揺れの範囲は相当広い様子。今後も要注意!

「平成28年熊本地震」震度1以上の地震回数
4/14ー4/30 (回数)3024 (累計)3024
5/1 -5/31 529 3553
6/1 -6/30 217 3770
7/1 -7/31 113 3880
8/1 -8/31 111 3994
9/1 -9/30 74 4068
10/1 2 4070
10/2 2 4072
10/3 2 4074
10/4 1 4075
10/5 2 4077
10/6 1 4078
10/7 0 4078
10/8 0 4078 ◎阿蘇山噴火
10/9 1 4079
10/10 2 4081 ※
10/11 1 4082 ※
10/12 5 4087 ※
10/13 0 4087
10/14 0 4087
10/15 10 4097 ※
10/16 2 4099
10/17 2 4101
10/18 2 4103
10/19 0 4103
10/20 0 4103
※のついた日に震度3の地震が1回起きています。阿蘇山噴火と何らかの関係があるように思いますが地下で起きていることは誰にもわからないようです。
以下読売新聞より記事抜粋・・
4月の熊本地震で、本震(マグニチュード7・3)の震源となった「布田川ふたがわ断層帯」(全長約64キロ以上)の破壊を、阿蘇山地下のマグマだまりが防ぎ、被害地域の範囲を狭めた可能性があると、京都大の林りん愛明教授(地震地質学)のグループが発表した。21日の米科学誌サイエンス電子版に論文が掲載される。
林教授のグループは、4月16日の本震直後から半年間、熊本県を東西に横切る布田川断層帯などの周辺で、地表に残る断層活動の痕跡を調査した。
その結果、布田川断層帯は本震の後、北東方向へ断層の破壊が進んだが、阿蘇山のカルデラ付近で止まっていたことを突き止めた。・・・

図:阿蘇カルデラ内における地震断層と地殻構造の関係を表した概念図
布田川断層の北東延長部はマグマだまりの存在により妨げられているが、地表地震断層はカルデラの表層部に現れている。
8月に撮った米塚近くの写真(地震により形成された地溝帯の一部と思われます)
阿蘇火山が妨げた熊本の地震断層破壊
2016年10月21日
林愛明 理学研究科教授らの研究グループは、2016年4月16日に発生した熊本地震の現地調査を行い、これまで知られていなかった活断層に沿って現れた全長40kmの地表地震断層(地震によって地表に現れた断層)を発見しました。また、断層の分布や地震のデータを解析した結果、阿蘇火山の地下約6kmにあるマグマだまりが地震断層破壊を妨げた可能性が高いことを明らかにしました。
本研究成果は2016年10月21日午前3時に米国の科学雑誌「Science」でオンライン公開されました。
概要
日常生活を脅かす地震・火山噴火等をはじめとした地殻運動のほとんどは、プレート運動など地球内部の運動によって引き起こされています。また、大地震はしばしば火山噴火と連動していることが知られていますが、地質学的なデータが不十分なため、火山の存在が地震断層破壊にどのような影響を与えているのかという点は未だ明らかになっていません。
そこで本研究グループは、2016年4月16日に発生した熊本地震における地震断層の変形構造の特徴と活断層との関係および阿蘇カルデラ周辺域の地殻構造との関連性について調査するため、地震の翌日から半年間、震源域周辺において現地調査を行いました。
その結果、阿蘇カルデラを横切る全長約40kmの地表地震断層を発見しました。さらに、阿蘇カルデラ内の活断層と地表地震断層の分布特徴、および地震と地球物理学データの総合解析により、熊本地震断層の破壊は阿蘇火山のマグマだまりによって妨げられた可能性が高いことを明らかにしました。『京大』

4月16日に発生した熊本地震の「本震」で、九州東部の断層が破壊されるのを阿蘇山のマグマだまりが防いだ可能性が高いと、京都大の林愛明教授らの研究グループが発表した。論文は20日付の米科学誌サイエンス(電子版)に掲載された。
論文は6月に書かれ、地震によって阿蘇山の噴火が早まる危険性を指摘していた。今月8日には阿蘇山の中岳第1火口で36年ぶりに爆発的噴火が発生し、研究グループは「今回の噴火と地震が直接関連しているか明らかではないが、論文の提言はある程度妥当性があった」としている。
熊本県では4月14日夜と同16日未明に震度7の地震が発生した。研究グループは直後から現地調査を続け、阿蘇山周辺まで延びる全長約40キロの新たな断層を発見した。
震源の熊本県南西部では、これまで知られていた布田川・日奈久断層帯に沿って地表が横ずれしていたが、阿蘇カルデラ西縁部では長さ約9キロにわたって上下約2メートルの落ち込みがあることも分かった。カルデラの東側では新たな断層は確認できなかった。
研究グループは、横ずれから落ち込みに変わったのは阿蘇カルデラ北西部の地下約6キロにあるマグマだまりによって、地震のエネルギーの方向が変化したためと分析。九州東部にエネルギーが波及するのを、マグマだまりがある程度防いだ可能性があると結論付けた。
地震によってマグマだまりにエネルギーが蓄積されたり、新たなマグマの通り道ができたりした可能性があり、噴火リスクが高まったとも指摘した。
林教授は「地震と火山マグマの関連性が示唆された。マグマだまりがあったから、大分県側まで断層が延びなかったのではないか」と話している。(2016/10/21-05:08)『時事通信』
※この記事をまとめている最中に鳥取の方で震度6弱の地震がありました。地震の揺れの範囲は相当広い様子。今後も要注意!

「平成28年熊本地震」震度1以上の地震回数
4/14ー4/30 (回数)3024 (累計)3024
5/1 -5/31 529 3553
6/1 -6/30 217 3770
7/1 -7/31 113 3880
8/1 -8/31 111 3994
9/1 -9/30 74 4068
10/1 2 4070
10/2 2 4072
10/3 2 4074
10/4 1 4075
10/5 2 4077
10/6 1 4078
10/7 0 4078
10/8 0 4078 ◎阿蘇山噴火
10/9 1 4079
10/10 2 4081 ※
10/11 1 4082 ※
10/12 5 4087 ※
10/13 0 4087
10/14 0 4087
10/15 10 4097 ※
10/16 2 4099
10/17 2 4101
10/18 2 4103
10/19 0 4103
10/20 0 4103
※のついた日に震度3の地震が1回起きています。阿蘇山噴火と何らかの関係があるように思いますが地下で起きていることは誰にもわからないようです。
Posted by マー君 at 15:35│Comments(0)
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