国家が認めた正統の歴史を「正史」という。中国には神話の時代から明代まで歴代王朝の事跡を記した24ないし25の正史がある。ただし、正史といっても正確とは限らない▼「史記」や「漢書」にこんな記述がある。前漢の初代皇帝劉邦の父はある日、寝ていた妻の上に竜がいるのを見た。そして生まれたのが劉邦だ、と。竜は皇帝の象徴。王朝の創始者が名もない農民の子では都合が悪い。実は特別な人だった、とするための物語である▼史記は前漢、漢書は後漢の時代に編さんされた。漢王朝の権威付けに眉唾の話も記す必要があったのだろう。唐代以降は前王朝の正史を編さんするようになったが、王朝交代は力による簒奪(さんだつ)が常だ。前代の評価に政治的な思惑が反映されるのは避けられまい▼歴代の王朝にとって歴史は正統性の根幹だった。それは現代でも変わらぬようだ。中国共産党が創建100年を迎えた党の歩みを総括する「歴史決議」を採択した。毛沢東、〓小平の時代に続く3度目の決議。当代の習近平総書記(国家主席)を2人と並ぶ「竜の子」と位置付ける狙いだ▼強権的手法の習氏は、党の統治や歴史解釈に異論を許さない。国家主席の任期制限も撤廃した。いにしえの皇帝のごとく終身独裁を目指すのか▼歴史は過去の失敗を学び未来に生かすためにある。勝者に都合の良い「物語」にしてはならないことは、文字通り歴史が教えている。
2021/11/24 西日本新聞 春秋
「竜の子」になるのか習総書記
どこまで広がるのか習近平の野望、彼の前にある鏡には自分が独裁者としては写っていないんでしょう?


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Posted by マー君 at 08:53│Comments(0)歴史記事
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