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Posted by おてもやん at

2022年07月04日

ハサミムシのお話

ハサミムシは熱心に子育てをする昆虫だという。その名の通り、尾の先にあるハサミを振り上げ、人間をも威嚇して、大切な卵を守る◆稲垣栄洋さんの『生き物の死にざま』(草思社)にあった。母親は卵のそばを離れず世話をして、卵がかえると、小さな幼虫たちに自分の体を食べさせる。逃げることもなく、子供たちを慈しむかのように、腹のやわらかい部分を差し出すそうだ◆天敵に囲まれた自然界では、昆虫は弱い存在で、多くは卵を産みっぱなしにせざるを得ない。子育ては、子供を守ることのできる強い生き物に与えられた特権だ、と稲垣さんは言う。尊い仕事を全うするハサミムシに頭が下がる◆東京都が、育児休業の愛称に「育業」を選んだ。子供を育てる大切で尊い仕事という意味を込めたという。育休と略すと「育児=休み」との印象が強く、子育ての大変さがわかっていないと不評だった。なかなかセンスがある◆育業は大変だが、かけがえのない時間でもある。俵万智さんに一首がある。<自分の時間ほしくないかと問われれば自分の時間をこの子と過ごす>。心から楽しんでほしいと思う。
読売新聞編集手帳 2022/07/04





著者紹介
稲垣 栄洋いながき・ひでひろ
1968年静岡県生まれ。静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省、静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て、現職。著書に、『スイカのタネはなぜ散らばっているのか』『身近な雑草のゆかいな生き方』『身近な野菜のなるほど観察記』『蝶々はなぜ菜の葉にとまるのか』(いずれも草思社)、『身近な野の草 日本のこころ』(筑摩書房)、『弱者の戦略』(新潮社)、『徳川家の家紋はなぜ三つ葉葵なのか』(東洋経済新報社)、『世界史を大きく動かした植物』(PHP研究所)など。

自分の体を子に与えて子育てをするハサミムシと子育てを放棄して幼い子供を見殺しにする人間(一部の人)とどちらがどのように進化したのでしょうか?  


Posted by マー君 at 10:37Comments(0)つぶやき