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Posted by おてもやん at

2015年10月27日

日本人の心




国指定史跡 大坊古墳 前方後円墳 玉名市玉名







永安寺東古墳・永安寺西古墳 東西に二基並んでいていずれも円墳









千手観音が彫られています(平安時代頃)
















横穴群の装飾については石屋形と側壁に描かれていますがよく見ないとわかりません






平成27年度熊本県内装飾古墳一斉公開の秋季が10月の24日~25日にありました。
2年ほど前から春とこの時期に合わせて何度か公開中の古墳を見て廻っています。今回は玉名地区を廻ってみました。
玉名も新幹線の駅ができて新しい道が市内どこかしこにできているため車のナビがまともに作用しなくてすこし難義しました。今回は10月25日に公開された大坊古墳、永安寺東古墳、石貫穴観音横穴、石貫ナギノ横穴群を見て廻りました。
大坊・永安寺地区と石貫地区は直線距離では3㎞ばかりですが大坊古墳、永安寺東古墳は自然の丘陵に墳丘を設けて造られたもので石貫穴観音横穴、石貫ナギノ横穴群は凝灰岩の山肌に横穴を掘って作った横穴墓です。どちらにも彩色による文様が施されていて6世紀に造られたものとの説明がありました。
古墳時代(3世紀半ば過ぎから7世紀後半)の後半に造られた装飾古墳なのですが、ほぼ同じ時代に距離的にもあまり離れていない地域で埋葬方法がどうして違うのか不思議に思いました。
古墳時代は大和朝廷が前方後円墳を各地に広め日本の国の地盤を固めていった時代です。墓を造るために石を切り出す道具は同じようなものを使ったと思います。どちらにも石室や石棺を設けて死者を葬るところなどは死後の世界や霊についてその当時共通した死生観をこの両地区の人々は持っていたものと思われます。
しかし石貫地区の横穴群墓は沖縄当たりに人工の洞窟を掘ってそこに死者を入れて葬る埋葬方法があったそうなので、この石貫地区の横穴墓は沖縄の方からの文化を引き継いだ人達の集団ではなかったか。人吉の方にも京ガ峰横穴群や大村横穴群など同じような横穴墓が残っています。この横穴式の墓は日本各地にあります。もともとあったものでは無く、一つの文化として伝達され広まっていったものだと思います。その起源をたどるとはるか南の沖縄の方に・・いずれにせよこれらの墓は一般の人々の墓では無くてその地域で身分が高い人のものであることは確かだと思われます。
石貫穴観音横穴には1号墓、2号墓に円文、石貫ナギノ横穴群では同心円文、連続三角文、大坊古墳には連続三角文、円文、永安寺東古墳には三角文、円文、船、馬が書かれています。
装飾古墳は全国に600基ほどあり九州から山陰、近畿、関東、東北地方に分布しており現在その半分以上が九州で見つかっています。

装飾古墳に描かれた文様には幾何学的・抽象的な直弧文(ちょっこもん)・蕨手文(わらびてもん)・鍵手文(かぎのてもん)・円文・同心円文・連続三角文・菱形文・双脚輪状文(そうきゃくりんじょうもん)・区画文などがあるが、何を表しているのか分からない文である。次に、具象的な図柄では盾・靱(ゆぎ)・甲冑・刀・船などの武器・武具・その他の器物や人物・馬・鳥・蟾蜍(ひきがえる)・朱雀などである。人物や鳥獣には大陸文化に影響が認められる。(Wikipediaより)

装飾古墳に描かれている文様の意味は解明されていませんが、何のために描いたのか、描かれている文様が日本各地の装飾古墳で非常によく似たものが多いことは何か共通した意味があると思われます。
1500年ほど前のお墓の事ですからそのころの日本人の宗教意識はどんなものであったのか想像してみますと、亡くなった人を葬る行為の中でただ亡骸を葬るのでなくて魂を葬る意識が強かった様に思います。身体と魂は別のものという考え方をしていたのではないでしょうか。
装飾という行為は祭祀に関連したものととらえれば抽象的な絵・人・動物・舟・器物をかたどったものは祭具を表現したもので、埴輪の様なものにも思えるのですが、いつか偉い学者の方がそこらあたりは解明してくれるでしょう。

祭祀のためであれば装飾文様には被葬者に悪霊がつかないように僻邪の意味やおまじない的なものが込められていたと考えられます。
死んだ後の魂や霊について古代の人々は我々以上に神々や先祖の霊を祭る行為について生活の中で大きな役割を果たしていたと思われます。死者の霊が敬い方によっては守り神にもなり疫病神にもなるように思っていたに違いありません。

日本という国は古墳時代を経て死者の葬り方・・前方後円墳という埋葬文化によって統一されできた国です。そしてその文化を脈々と引き継いで私達が今居るのです。そんな事を感じさせられた装飾古墳の1日でした。ご先祖様を大事にしなければ・・くわばらくわばら
  


Posted by マー君 at 16:08Comments(0)歴史