おとといの出張の帰り、強い雨のために新幹線が動かなくなり、はらはらした。雨のなか落ち着かない気分になるとき、思い出す句がある。安住敦さんの〈しぐるるや駅に西口東口〉。降り出した雨、そして帰宅を急ぐ人たちの姿が浮かぶ▼秋の末から冬の初めにかけて降る「時雨(しぐれ)」は初冬の季語である。季節外れの句を記してみたのは、このところ感覚が狂わされっぱなしだからだ。盛夏としか思えない6月があった。梅雨が3週間も早く明けたかと思うと、またこの雨▼専門家の間では梅雨前線が復活したとの見方があるらしい。ぐずつく天気が続き、きのうは宮城県の雨の強さが目を引いた。大崎市からの映像にはボートで避難する人の姿があり、全然眠れなかったとテレビカメラに訴える人もいた▼梅雨の季節に決まって豪雨災害が起きるようなこの国で、例外の年は存在しないのか。終わったかと思えばまた梅雨が続くことを表して「戻り梅雨」「返り梅雨」の季語もあるが、その穏やかな語感にだまされないようにしたい▼3連休の出ばなをくじかれた、という方もいただろう。東北そして南九州の鉄道で、運転の見合わせや遅れが相次いだ。水を差したのは雨だけでなく、「戻りコロナ」のようになった感染状況もある。空にも体調にも気をつけなければ▼梅雨の末期にまとまって降る雨は、「送り梅雨」とも呼ばれる。長雨を早く送り出したいとの気持ちが込められているのだろう。2度目の梅雨明けを待つ日々である。
朝日新聞天声人語 2022/07/17
2度目の梅雨明けを待つ日々

熊本県に住む人は2年前に起きたこの時期の集中豪雨で球磨川が決壊した事で多くの犠牲者が出た事、今も国道219号線は通行止めや一方通行の箇所が点々と続く事など決して忘れてはなりません。
この時期の雨はさっきまで晴れていたのに急に空が真っ黒になり大粒の雨が降り続くことがあります。
場所によっては早めの避難が大切です。



Posted by マー君 at 09:47│Comments(0)
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