2021年07月23日
五輪きょう開幕・・日本の民主主義は機能しているのか
完成直後に見学して立派さに驚いた。1997年、福島県にオープンした「Jヴィレッジ」。スタジアムや10面以上のグラウンド、ホテル並みの宿泊施設…。サッカー界待望のトレーニングセンターだ▼原発立地地域の振興策として東京電力が建設した。原発増設に向けた地元対策ともいわれた。だが、その役割は東日本大震災で暗転。原発事故対応の拠点となった▼再び脚光が。「震災復興」を掲げた東京五輪の開催決定だ。本来の用途に戻り、全天候型練習場も新設された▼光と影が交錯するこの場所から聖火リレーがスタートした東京五輪が、きょう開幕する。新型コロナ禍が収まらず、反対の声はなお根強い。大半の競技は無観客だ。選手と住民の交流もできない。「復興五輪」「コロナに打ち勝った証し」。そんな金看板は色あせた▼案の定、選手や関係者の感染が相次ぐ。リスクを冒してまで五輪を開催する意義は。政府は明確に答えない。巨額の五輪マネーのため? コロナ対策に失敗した政権が国民の目をそらすため? 疑念を拭えないまま聖火は燃える▼競技が始まり、懸命な選手の姿を見れば、胸打たれ、涙するに違いない。ならば精いっぱい応援しよう。そしてコロナと五輪を巡る光と影は決して忘れまい。私たちは「パンとサーカス」で権力の思うようにされる国民ではない-。それを示すことも、異形の五輪のレガシー(遺産)となる。
2021/07/23 西日本新聞 春秋

最期までごたごた続きの東京五輪これからどうなるのだろう?
2021/07/23 西日本新聞 春秋

最期までごたごた続きの東京五輪これからどうなるのだろう?