土曜、日曜と妻の用事でハウステンボスへ行ってきました。
ついでに以前から寄ってみたいと思っていた佐賀県にある東名遺跡(ひがしみょういせき・約8000年前)を見学しました。
遺跡はすでに埋められていて東名縄文館という博物館に掘り出された遺物の一部が展示されています。
この遺跡の見どころは何といっても縄文時代の編みかご文化に触れられることです。
日本の普通の遺跡ではほとんど残らない植物性の遺物がここ有明海では特有の湿地性土壌のため国内最古ともいわれる編みかごが731点も発見されている。
貯蔵穴出土:179点、堆積層出土:552点、編みかごの用途はおもにドングリを入れて使用されていたものと考えられる。
東名遺跡で確認された編組技法は様々なものがあり、縄文時代早期後葉段階から縄文かごに見られるほとんどの技法が成立していたことがわかりました。

東名遺跡に寄ってきました
東名遺跡に寄ってきました
東名遺跡に寄ってきました
東名遺跡に寄ってきました
東名遺跡に寄ってきました
東名遺跡に寄ってきました
東名遺跡に寄ってきました

遺跡の変遷
●出現
縄文海進は16,000年前から7,000年前まで続き、当地でも海岸線が移動し続けた。約8,000年前に当地の辺りが海岸となったことで、海の幸を求めた縄文人が当地に集落を作ったと考えられている。
出土遺物の年代は約500 - 600年間に限られ、その上に粘土が堆積していることから、数百年で海進が進んで海面下に没し、住めなくなったと考えられる。
●埋没
古有明海の海面下に没した遺物の上には、現在の有明海沿岸と同様、河川が運ぶ土砂に加えて満ち潮が運ぶ浮泥(粘土)が堆積し、5mを超える厚い粘土層に覆われる。約7,000年前には、現在と同様に平坦な地形になった
その後、徐々に海退が進んで陸化したが、地下水位は高い状態に保たれたと考えられる。
●調査
当地では、佐賀導水事業の中で洪水調節などを担う巨勢川調整池の建設計画が進められていた。1990年(平成2年)に行われた事業前の埋蔵文化財調査で、初めて遺跡が発見された。
これを受けて、1990年度から1996年度(平成8年度)にかけ、現標高 3mの微高地にある集落遺跡で第1次発掘調査が行われた。この時は、多数の集石遺構(炉跡)と墓地と見られる人骨集中地が発見され、土器、石器、動物の骨などが出土した。
その後、調整池の建設が始まる。しかし、重機による掘削中の2003年度(平成15年度)に貝塚が発見され、調査を進めたところ、1次調査よりも低い現標高 -0.5m - -2mの地点から6か所の貝塚が確認された。これにより、再調査が行われることとなった。
第2次発掘調査は2004年度(平成16年度)から2007年度(平成19年度)まで、6つのうち真ん中に位置する第1貝塚と第2貝塚周辺で行われた。貝塚からは哺乳類や魚の骨、骨角器が多数出土した。また第2貝塚の周りを中心に、多数の貯蔵穴が発見され、そこから腐敗があまり進んでいないドングリや多くの編みかごが出土したほか、当時湿地であった粘土層から皿、鉢、櫂、櫛などの多様な木製品が良好な保存状態で出土した。
1次調査の時点で佐賀平野では希少な縄文遺跡であったが、2次調査で出土した木製品の中には国内最古級の物が含まれるほか、様々な編み方の編みかごや異なる制作段階の鹿角製装身具からは当時の文様文化を窺い知ることができるなど、新たな発見があった。こうした生活用具や食料の残滓などが良好な状態で遺る遺跡は、同時代では日本列島でも類例が少ない。cf.粟津湖底遺跡(滋賀県)など。
酸性土壌により劣化が進みやすい日本の先史遺跡の中では、遺物の保存状態が良い遺跡は少ない。本遺跡がこうなったのは、遺跡の形成後急速に透水性の低い粘性土に覆われ、かつ地下水位が比較的高く、土壌が間隙水で満たされた状態が続いたことで、生物的・化学的環境が還元状態に保たれたことが指摘されている。加えて、間隙水内で貝塚に蓄積した貝殻の炭酸カルシウム分が溶出し、周囲の酸性土壌を中和した。
Wikipediaより


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Posted by マー君 at 11:16│Comments(0)縄文
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